今回は前回に続き基本のインバートとスピントリックの応用を解説しよう。

タントラムは大きく分けて2種類のタイプがある。1つは体を外
に開き胸を張り体を反らして回る伸々系と、もう1つは、あまり体を開かず上体を曲げたような形で回る屈伸系。前者は応用としてワイリーバード系のトリックに発展させやすく後者はインディタントラム等のグラブ系に発展させやすい。どちらがやりやすいかと言うのは人によって違うので自分のイメージのしやすい方で構わない。ここでは2つのやり方と違いを理解しよう。また、ウェイキの手前でボードをフラット気味にするのでバックロール等のトリックとウェイキのリリースの仕方が違う事も頭に入れておこう。

アプローチは腰を落し前足加重を意識してエッジを立ててウェイキに向かう。ウェイキの手前でバックハンドを離し体を
開き始める。前足がウェイキのトップにきたら、さらに体を開き前足でウェイキを踏み切る。(5人目)この時に顎を上げ
回転の先行動作をつくり、胸を後方に放り投げるようなつもりでウェイキを飛び出す。フロントハンドは脇を締めしっか
りとハンドルを引きつけ胸を張って体を弓なりにするような感じで回転する。回転中は顎を上げ反対側を見るようにする
と自然と回転が誘導される(7人目)。エアーのピークにきたらサイドにあったハンドルを自分の体の正面に強く引き寄せ
(大切)残りの回転を誘導すると同時にランディングを安定させる。

前足加重を意識しウェイキに向かう。ウェイキの直前でバックハンドを離し前足がウェイキのトップに来た時に前足を意
識して踏み切る。顎を引き気味にして背中を放り投げるようなつもりで空中に飛び出す(5人目)。肘を中心にハンドルを
引き膝をひきつけるような感じで体を曲げ回転を誘導する(7人目)。また、回転にはロープテンションが重要になってく
るので脇を締めハンドルが上がらないように気をつけながら引き込んでおくこと。エアーのピークに達したら肘を絞るよ
うにしてハンドルを引きつけると安定したランディングの体勢に入れる(10人目)。
ランディングはハンドルを体の正面に持ってきて膝で衝撃を吸収する。



HSメランコリー360 今回は前回と違ったグラブを練習しよう。グラブの場所を変えるだけでインパクトも変わる
し難易度も変わってくる。今回はフロントハンドで足と足の間のヒールサイドをグラブする
メランコリー360を練習して見よう。

ウェイキに対するアプローチは通常の360と同じだがグラブをしやすくする為により強く膝の突き放しを意識する。ウェイキをリリースしたらハンドルをバックヒップの方へ引きつけ回転を始めると同時に膝を曲げ始める。ボードをしっ
かりひきつけたらフロントハンドで足と足の間のヒールサイドをグラブ。グラブを終えたら肩を後方にしっかりと開き素
早くハンドルを取りにいき回転を誘導する。ハンドルをキャッチしたらボートの方へ顔を送り回転を続けボードを
360度回し終える。ランディングはフロントハンドでハンドルを持っているので不安定にはならないようしっかりと引きつけておく。
アドバイス
●グラブはウェイキをリリースすると同時に始めてエアーのピークではハンドパスが出来るようにしておこう。
●グラブした後も膝を曲げボードを引き寄せて回転を安定させよう。
●常に顔は回転していく方を見て回転を誘導する。


今回の峠塾はいかがでしたか?
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「峠範和のウェイクボード完全マスター」(制作/DEP・発売/泉書房)から使っているんです。なんとオールカラー192Pでシークエンスを中心に詳しく1つ1つ詳しく解説しています。これから始める人からプロボーダーまでが学べるように構成しました。自信を持ってお薦めできる究極のHow To本です。全国の書店、ウェイクボードショップで販売中。

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シーズクラブ  滋賀県滋賀郡志賀町荒川 TEL:077-592-2412
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峠 範和
峠 範和 '96〜'98年。3年連続全日本チャンピオン 2000年クラス別世界チャンピオン。シーズクラブウェイクボードスクール校長。ウェイクボード界のカリスマ的存在であり数々の記録と伝説を残し続けている。スクールには年間5,000人を越える生徒が訪れ、また芸能人も彼のスクールを訪れている。現在、自由なウェイクボードのスタイルを追及するため、コンペには一切出場せず新たなスタイルを築きながら進化し続けトッププロとして、またテレビ、雑誌、ビデオなどで活躍中。
スポンサー/ Liquid Force . Supra . DNA. Free Style J-F、 Hard Line R2 Nevin、 Pro Tec 他
※使用ボード、リキッドフォース・ヘリック134。
※トーイングボート、スープラランチ1。